●第２回 表彰式１９９９年１月３０日
ふた葉の部（小学４年生以下）
〈個人最優秀賞〉
尾島町立尾島小学校４年 加藤友香梨
むこうまでつづいているよはるのそら
はるのにわバドミントンのはねがおち
すいれんがひなたぼっこだ水の上
夏のくも北海道のような形
きもちよくおきた朝の空はまっさお
〈個人優秀賞〉
新町立第一小学校３年 大島 美穂
クリスマスツリーは星のまんげきょう
どうぶつのけはあったかい耳ぶくろ
ぎんのスズならしてみたいねこやなぎ
かみの毛のみんなまっ黒おひなさま
母さんのえ顔大すきチューリップ
〈個人優秀賞〉
前橋市立若宮小学校２年 鈴木 日高
じきゅうそうかおにいっぱいかぜあたる
るりいろのガラスみたいなふゆの空
さむいあさぼくはおかあさんのゆたんぽだ
おにたちがつくっていったつららだよ
生まれたよおまんじゅうみたいないもうとが
〈特別賞〉
館林市立第一小学校４年 樺沢 亮
ビー玉をころがしたような夜の空
梅の花おしべめしべは花火のよう
書写の日は墨がついてる運動着
プール開き色とりどりの袋下げ
夕やけがあしたを楽しくしてくれる
若葉の部（小学５年生〜中学生）
〈個人最優秀賞〉
渋川市立北中学校２年 西尾 奈々
手袋についてる雪はすぐ消える
そよ風が私の音を消していき
ペンケース私と一緒に夏をこす
山奥に一人の光が立っていた
背の高い木の頭には空がある
〈個人優秀賞〉
下仁田町立東中学校２年 斎藤 亜希
銀の鳥いつかは金になれるかな
リフト乗り沈黙続く知らぬ人
なにげなく窓をあけたら優しくなれた
木にとまる鳥みて思うもう秋か
枯れ葉の上歩いてみたら月明かり
〈個人優秀賞〉
渋川市立北中学校２年 石北 花栄
木の枝もだんだんやせて雪催（もよ）い
光あるくすぐったい季節に猫笑う
働いた黒板白くくもってる
安全ピン名札といっしょにまがってる
くもり空春の匂いをかくしてる
青葉の部（高校生〜２０歳）
〈個人最優秀賞〉
県立中之条高校２年 竹渕 雄太
白い雪ゆらゆらとけて桃色に
駿馬たち五月の風をかきわけて
日に焼けた少年たちがいた夏を
この胸にもうすぐ雪が降りてくる
船が出るかもめは我を追い越して
〈個人優秀賞〉
県立中之条高校２年 上原 一記
人形のねじをぬく君恋泥棒
夕焼けの風の香りが巻きついて
寂しさが夜空のように輝いて
空飛ぶ鳥君の瞳を捕まえに
雪の降る心の翼おれかけて
〈個人優秀賞〉
埼玉県立熊谷女子高校３年 斎藤 芙美
月光がレールの上をすべってく
冬の日は猫も私も人恋しい
歩道橋のぼればたちまち有頂天
青い梅雨教室さえも水の中
悲しい日絵の具のにおいが気になって
〈作品賞〉
昭和村立大河原小学校１年 飯塚 梓
えんそくだあしにちからがきているよ
昭和村立大河原小学校１年 ほしのあきら
こんなにもひがあたってきたねぼくのせき
昭和村立大河原小学校１年 横坂 里乃
あさがおのやさしそうなたねまきました
前橋市立桂萱小学校２年 清水 遥子
かぜでねたカーテンのかげつめたそう
前橋市立城東小学校２年 野村けいと
トマトのめはっぱにさわるとみのにおい
前橋市立城東小学校２年 星野麻衣子
しゃぼん玉ちきゅうみたいにういている
新田町立綿打小学校４年 斎木俊太郎
とこやすると耳の形に風通る
吉井町立馬庭小学校６年 松本 理沙
ゆっちゃんのめがねが光る雪の後
高崎市立南八幡中学校１年 山口 佳之
マカロニの形いろいろ鳥の声
渋川市立北中学校２年 後藤 亮
枯れ木たちなみだながしたあとがある
下仁田町立東中学校２年 竹内みなみ
飛行機が空をかけてく夏休み
下仁田町立東中学校２年 三木 悠莉
あの人がそでをまくって夏が来る
嬬恋村立東中学校３年 黒岩 典美
夕焼けが今日もやさしく見えている
松井田町立東中学校３年 湯本寿美子
たくさんの声を聴いた日雪降りし
県立前橋高校１年 柴田 祐希
思春期を髪と一緒に切り落とす
埼玉県立熊谷女子高校１年 西川恵理子
流れる時を静かに思うつめを切り
埼玉県立熊谷女子高校１年 三上 玲奈
宿題から水彩画が消えた夏
県立中之条高校２年 湯本 隆行
いつからか小さな午後が側にいる
共愛学園高校３年 篠崎 祥子
制服のスカート光る二月かな
埼玉県立熊谷女子高校３年 羽鳥 有紀
雪踏んで何かをキュッとひきしめる
