●第１回　表彰式２００４年３月３０日

　ふた葉の部（小学４年生以下）

〈最優秀賞〉
前橋市立桃川小学校３年　鯉渕　優介
赤黄色ふりかけみたいな秋の山
いかやたこさくらの下でやかれてる
チューリップ中で星が生まれてる
百日草丸い子どもがねているよ
シャボン玉うすいかがみにかこまれる

〈優秀賞〉
前橋市立東小学校３年　田村佐和子
みそしるのゆげがたつまきまいている
空の上あかいくじらがおよいでる
まどふきでタオルがペチャクチャさわいでる
あきの日にだれが落としたナイフかな
赤じゅーたんすぐにしまわれ星の空

〈優秀賞〉
前橋市立桃川小学校３年　青木　晶子
雨のつぶけんすいじょうずおしえてよ
たいいくぼうりゅうのみ入れたらたからばこ
走るとね風がふくよねたこあがれ
どんどやきぽこぽこゆうぞあわみたい
どんどやき火をぼうぼうと山のかぜ

　若葉の部（小学５年生〜中学生）

〈最優秀賞〉
小野上村立小野上中学校２年　佐藤　　陽
そうじする部屋にたまった光かな
真っ直ぐな橋を歩いて卯月かな
物置の影が伸びてる五月かな
上野の真上を飛んで燕かな
自転車のカゴからはみ出る夏休み

〈優秀賞〉
小野上村立小野上中学校２年　佐藤　俊樹
裏山にひびく山びこ夏休み
乾電池立てて遊ぶ秋の風
ガムテープ粘り続ける秋の風
冬空の青々としたボールペン
日記帳ひそかに住みつく秋の匂い

〈優秀賞〉
小野上村立小野上中学校２年　野村　大樹
深緑の大きな黒板雪が降る
みしみしと春の終わりの深緑
汗しみる夏の試合の延長戦
遠くから見れば見るほど深き山
影がこく幼稚園のすべり台

　青葉の部（高校生〜２０歳）

〈最優秀賞〉
県立渋川青翠高校２年　渡部　　愛
薄氷さやさや君を待ちわびて
背伸びして吊革握る手のぬくし
それ以上笑うと好きと言っちゃうぞ
旧友の電話短し春の暮
春愁やあまりに素直に笑うから

〈優秀賞〉
駒沢大学３年　小野　雄佑
満月や硝子工場は廃墟なり
夜学校紙飛行機が落ちてくる
木菟の夜や縄文の夜映す
窓際に出る朝顔の通信簿
放課後の女子校にゐる雪だるま

〈優秀賞〉
群馬大学３年　渡辺　　薫
薄紅を濡らした窓に口づける
十一時の木漏れ日には見透かされてしまう
君の声振り返る度秋は加速する
溜息はとらえどころのない秋風
秋風が過ぎれば無色透明な私

〈特別賞〉
東京都・落語家　桂　　夏丸
月朧心理学者の住む町に
駅前へ集まる春のボランティア
春寒し前日を書く日記かな
高校の廊下は長し春の雪
虫の闇メール友達一人増え